
昭和53年卒の貝崎です。毎回お城シリーズをご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、JR東日本の休日倶楽部パス(5日間新幹線と特急乗り放題)を利用して、北海道・東北のお城を巡ってきました。
5日間の走行行程は約3700kmのロングラン旅行で大変疲れました。
東京から北海道・東北新幹線で約4時間、青函トンネルを抜けると北海道の木古内に到着します。
さらにバスに乗換えて約90分、高台に松前城が見えてきます。
当地はかつての大横綱/千代ノ富士の出身地でとあり、途中には記念館もあります。
▪️松前城(福山城)
江戸時代、蝦夷地は松前藩が領有していましたが、永らく天守を持たない居館でした。
幕府は海防のため松前氏に築城を命じ、安政元年(1854年)に三重の天守を持つ松前城が完成、江戸期最後のお城です。
海防上、火砲を重視したため、37基の大砲を備えていたことが松前城の特徴です。
また、再建された天守に加え、曲輪や石垣、堀がよく残っているので、当時の城郭を丹念に見ることができます。
外国産打ち払いのために築城された松前城ですが、明治元年(1868年)に箱館戦争で徳川旧幕府軍の手により陥落したのは皮肉な歴史ですね。
木古内から函館まで約1時間、さらに路面電車に乗換えて五稜郭に到着します。
▪️五稜郭
五稜郭は、我が国初のヨーロッパで考案された稜堡式の要塞です。
箱館の開港に伴い、蝦夷地の統治と箱館防衛のために、幕府の命令で築城されました。
五つの角に石垣と土塁からなる本塁を配し、その外側にも石垣と土塁の低塁を築き、さらに外周を水堀が巡る堅固な造りです。
隣接した五稜郭タワーから眺めると、幾何学的かつ優美な外郭を実感できます。
また、場内には奉行所があり、蝦夷地の入口としての格式がうかがえます。
戊辰戦争の折、榎本武揚をはじめ徳川の旧幕臣が臨時政府を設けたことは有名ですね。
皮肉なことに、築城当時は最新鋭の要塞でしたが、その後火砲類の飛躍的な進化により、明治元年の箱館戦争では呆気なく攻城されてしまいました。
司馬遼太郎著「燃えよ剣」の主人公/新撰組の土方歳三の終焉の地でもあります。
市内には見どころも多く、ゆっくり散策することをお勧めします。
東京から東北新幹線の新青森で奥羽本線に乗換え、約4時間で弘前に到着します。
▪️弘前城(現存12天守のひとつ)
弘前城は初代藩主の津軽為信が築城を計画、慶長16年(1611年)二代藩主の信枚が完成させ、以後明治維新まで260年間津軽氏の居城として系譜を重ねていきます。
天守は江戸時代後期に改築したものですが、三重三階、層塔型、屋根は銅瓦葺きで無骨な印象です。
また、本丸を二の丸以下の曲輪と内外の濠で囲むように縄張りされた輪郭式で、十万石の風格を感じさせます。
ご存知の方も多いと思いますが、市民が寄贈したソメイヨシノやシダレザクラ、八重桜など約2600本、52品種の桜が場内には植えられています。
春の「弘前さくらまつり」では、桜の花びらが濠を覆い隠すほど見事な景色となります。
秋の「弘前城と紅葉まつり」、冬の「弘前城雪燈籠まつり」と併せて、四季を楽しめます。