
昭和53年卒、貝崎弘和です。
三田会の皆様にはいかがお過ごしですか?
今回は、前回に続いて福井県のお城をご紹介します。
いずれも魅力的なお城です。
越前大野城

JR福井駅から九頭竜線で約1時間、越前大野駅に到着します。
天正4年(1576年)に織田信長から大野郡を与えられた金森長近が4年の歳月をかけて築いた山城で、雲海が浮かぶ幻想的な姿が「天空の城」として知られています。
駅から城登り口まで徒歩20分、さらに天守まで徒歩20分と少し苦戦しますが、標高250mからの景色は見事で、汗と苦労が報われます。
案内ガイドによると、初代城主の金森長近は今で言う都市計画に秀でた人物とのこと。
現在も残る碁盤の目状の通りを、はじめ 、豊かな地下水を使って町中に生活用水、上下水道網を整備したことは現代に引き継がれた財産と言えます。
残念ながら、天守は安永4年(1775年)に焼失、現在の城姿は近年に再建されたものです。
一乗谷城

越前大野からの帰路、一乗谷に立ち寄りました。JR福井駅からも九頭竜線で約20分です。
ご承知のとおり、一乗谷は戦国大名の朝倉氏が5代100年にわたり治めた本拠地です。
一乗谷の遺跡は、朝倉氏が築いた城下町跡と山頂の山城跡に分かれます。
城下町は南北約1.7km、南北に堅牢な木戸を設け、谷間には道路を配し、武家屋敷・寺社・町屋が計画的に配置されており、その中心地が朝倉館です。

朝倉館の遺構は三方の門と16棟の建物群で構成されており、主殿・会所の他、庭園や花壇、台所、蔵、厩、湯殿など、「洛中洛外図」に描かれる京都の細川管領邸に匹敵するほどの壮麗豪華さを誇っていたと伝えられています。
元来、朝倉氏は前守護職/斯波氏の後継者であり、室町幕府の将軍足利義昭を匿った時期もあったので、京風の文化や伝統が継承されたのでしょう。
城下町跡には、往時の生活ぶりを「復元町並」として再現している場所があります。
ソフトバンクのCMで放映されていたので、ご覧になった方もいるかもしれませんね。

筆者の個人的な感想ですが、一乗谷は南北の木戸と両側の山々に囲まれた独特のエリアで、朝倉氏が築いたある種のユートピアみたいな地ではないかと感じました。
歴史や戦国のロマンを色濃く感じた一乗谷、お勧めです。
次に、山頂の一乗谷城跡を目指したのですが、現地のスタッフから「クマ出没、危険」と制 止されて果たせませんでした。実に残念、無念です。
なお、利用した九頭竜線は2-3時間に1本程度の運行です。
筆者は強風と寒風に震えたので、見学の際はご留意ください。
貝崎弘和